管理者の皆様は、日ごろたくさんの書類作成に追われていると思われます。
私が道職員時代で事業指定及び実地指導に携わっていた時期には数多くの管理者さんにお会いしましたが、本当の意味で書類作成の重要性を理解している事業所さんは残念ながら多くはなかったというのが実感でした。
毎日、業務日誌及び加算認定に必要な記録を記載していると思われますが、記載がされていても書き込みが足りないと思われるものも散見されました。
基準配置ぎりぎりの職員の中で利用者さんの送迎を行い、利用者さんの作業中の様々なサポートや、職員給与計算、国保連請求や行政からの調査報告もの、行政からの通知の読み込み等1日の中に本当に色々な事務処理作業が管理者さんにはあります。
それで、どうしても利用者さんのサポートに重きがあり、書類整理が後回しになってしまうのも理解できます。
そうして、3年に一度程度、指定権者から実地指導があり、改めて書類の不備を指摘され、言われた分についてはとりあえず整備しているというのが実情ではないでしょうか。
実地指導の際にも事業者さんからは本当に時間もない中でやっており、手が回らない、書類作成の簡素化についてなんとかならないものかと相談される方もおられました。
しかしながら、行政からの指導があったかとかないとかという問題ではなく、各都道府県で定められた障害福祉サービスの基準の規則に定められているものは、必ず整備しておかなければなりません。
たまたま、前回、実施指導で指摘されなかった場合があっても、次回で別の担当が指摘してくることもよくあります。
しかし、前回の指導で何も言われなかったと抗弁してもそれは通りません。
また、何かの際に利用者さんや従業員から苦情が振興局に入り、立ち入りをした際に今まで指摘されなかったことを言われるかもしれませんが、それも同じことです。
そして、様々な書類等の作成や記録を整えておくような規定がなされているのかというと、すべては事業所がコンプライアンス(法令)に準拠し、適法に事業所運営を行っているということを対外的に証明するためものなのです。
利用者や従業員と万一揉めるような事象が生じたとして、いくら口でちゃんとやっていますと事業者や管理者さんが言ってもそれは対外的には全く通じません。
様々なことについて、記録をキチンと取っておくと言うことが、事業所や管理者を守る大事な武器となるのです。
また、行政に提出する書類については簡素化されてきていますが、それにかかる計算等の根拠資料については、きちんと事業所で保管しておかなければなりません。
とはいえ、確かに書類作成は煩雑であり、簡素化できる部分もあるかと思いますので、定期的に事業所の記録については検討し、事業所のみなさんで色々工夫してみてはいかがでしょうか。